京都観光の記念に御朱-印を集めているけれど、「京都御所でも御朱印はもらえるのだろうか?」と疑問に思われたのではないでしょうか。日本の歴史の中心であった場所だけに、特別な御朱-印があるかもしれないと期待しますよね。しかし、実際にどこでいただけるのか、受付時間や初穂料はどうなっているのか、正確な情報は意外と少ないものです。
この記事では、まず京都御所そのもので御朱印がもらえるのかという結論をはっきりとお伝えします。その上で、広大な京都御苑の敷地内で御朱-印を拝受できる神社の場所や、そこでいただける御朱印の種類とデザインを詳しく解説。さらには、御朱印巡りとあわせて京都御所を参観するためのアクセス方法から、おすすめの散策モデルコースまで、あなたの知りたい情報をすべてまとめました。これを読めば、迷うことなく京都御所周辺での御朱-印巡りを楽しめます。
京都御所で御朱印はもらえる?【結論】と授与場所を徹底解説
結論:京都御所「そのもの」では御朱印はいただけません
まず最も重要な結論からお伝えしますと、天皇のお住まいであった京都御所の建物、つまり宮内庁が管理する施設「そのもの」では、参拝の証である御朱印をいただくことはできません。御朱印は、あくまで神社やお寺で授与されるものだからです。そのため、京都御所の参観受付などで御朱印について尋ねても、対応してもらうことはできないので注意しましょう。
しかし、がっかりする必要はありません。一般的に「京都御所」と呼ばれる広大な国民公園「京都御苑」の敷地内には、御朱印をいただける素晴らしい神社が鎮座しています。多くの人が混同しがちですが、「京都御所(建物)」と「京都御苑(公園)」は区別して考えるのがポイントです。
宮内庁の記念スタンプとは?御朱印との違いを解説
御朱印と間違われやすいものに、宮内庁京都事務所の窓口や京都迎賓館などで押すことができる「記念スタンプ(記念印)」があります。これは日付や施設名が入ったスタンプで、あくまで見学の記念として用意されているものです。御朱印のように神仏とのご縁を結ぶという意味合いはなく、御朱印帳に押すのは避けるのがマナーとされています。
旅の思い出として、パンフレットや手帳の片隅に押すのは良い記念になります。しかし、これは御朱印ではない、ということを明確に理解しておくことが大切です。御朱印とは性質が全く異なるものなので、混同しないようにしましょう。
御朱印がいただける京都御苑内の神社①:白雲神社
京都御苑の西側、旧近衛邸跡の近くに静かにたたずむのが「白雲神社(しらくもじんじゃ)」です。もとは西園寺家の鎮守社で、音楽や芸能の神様である弁財天(市杵島姫命)をお祀りしています。そのため、芸事の上達を願う人々から篤い信仰を集めてきました。こぢんまりとしたお社ですが、芸能関係者も訪れる由緒ある神社です。
こちらでは、美しいデザインの御朱印をいただくことができます。京都御所の参観とあわせて訪れるのに最適な場所にあります。
御朱印がいただける京都御苑内の神社②:宗像神社
京都御苑の東側、清和院御門の近くにあるのが「宗像神社(むなかたじんじゃ)」です。こちらは藤原氏一族の鎮守社として創建された歴史を持ちます。福岡県の宗像大社から三女神を勧請しており、交通安全や方除けのご利益で知られています。京都御所の造営に関わった職人たちが信仰したことでも有名です。
この神社でも御朱印を拝受することが可能です。白雲神社とは御苑内での位置が正反対に近いため、両方を参拝する場合は苑内を横断する形になります。時間に余裕を持って計画を立てると良いでしょう。
あわせて参拝したい!皇室ゆかりの梨木神社
京都御苑の敷地内ではありませんが、御所のすぐ東隣(寺町通沿い)に位置し、ぜひともあわせて訪れたいのが「梨木神社(なしのきじんじゃ)」です。明治維新に貢献した三條実萬・実美父子をお祀りしており、「萩の宮」とも呼ばれる萩の名所として知られています。また、京都三名水の一つに数えられる「染井の水」が湧き出る場所としても有名です。
皇室ともゆかりが深く、格式高い雰囲気の中で参拝できます。御所からのアクセスも非常に良いため、御朱印巡りの際には必ず訪れたい神社のひとつです。以下に3つの神社の特徴をまとめました。
神社名 | 場所 | 主なご利益 | 御朱印の特徴 |
---|---|---|---|
白雲神社 | 御苑内・西側 | 芸事上達 | 龍と薬玉の美しいデザイン |
宗像神社 | 御苑内・東側 | 交通安全・方除け | シンプルで格式高いデザイン |
梨木神社 | 御苑の東隣 | 学業成就・縁結び | 萩の花や神紋の美しいデザイン |
【写真付き】京都御所周辺で拝受できる御朱印の種類とデザイン

白雲神社の御朱印|龍と薬玉の美しいデザイン
白雲神社でいただける御朱印は、非常にデザイン性が高いことで人気があります。中央には大きく「白雲神社」と墨書きされ、右下には琵琶の印、そして左上には龍と薬玉(くすだま)をあしらった美しい印が押されます。これは、かつてこの地にあった御薬園に薬草を献上したという龍の伝説に由来するものです。
音楽の神様である弁財天を祀ることから、芸術や創作活動をされている方にとっては、特に感慨深い御朱印となるでしょう。書き置きの場合もありますが、その芸術的なデザインは一見の価値ありです。
宗像神社の御朱印|シンプルな中に格式を感じる一体
宗像神社でいただける御朱印は、白雲神社の華やかなデザインとは対照的に、シンプルで力強い印象を与えます。中央に「宗像神社」と堂々と墨書きされ、神紋である楢の葉の印が押されます。過度な装飾がない分、神社の持つ長い歴史と格式が伝わってくるようです。
藤原氏の氏神として、また京都御所の守り神として鎮座してきた威厳を感じさせる一体です。派手さはありませんが、御朱印の本来の魅力を感じさせてくれるでしょう。こちらは直書きでいただけることが多いようです。
季節限定や特別公開でいただけるレアな御朱印情報
京都御所の周辺神社では、季節や行事にあわせて限定の御朱印が授与されることがあります。例えば、梨木神社では、例年9月の萩まつりの時期になると、萩の花をあしらった特別な御朱印が用意されることがあります。また、新嘗祭や例祭などのタイミングで、期間限定の御朱印が出される可能性もあります。
これらの情報は、各神社の公式サイトやSNSで告知されることが多いです。参拝の予定を立てる際には、事前に最新情報をチェックしておくと、思いがけず特別なご縁をいただけるかもしれません。特に注意しておきたいポイントは以下の通りです。
- 公式サイトやSNSの事前確認を忘れない
- 限定御朱印は書き置きでの授与となる場合が多い
- 授与期間や時間が限られていることがあるため注意する
御朱印の受付時間・初穂料は?知っておきたい拝受の流れ

各神社の御朱印受付時間と曜日の注意点
御朱印をいただく際の受付時間は、神社によって異なります。特に京都御苑内の神社は、一般的な神社と比べて受付時間が短い場合があるので、事前の確認が不可欠です。
例えば、白雲神社や宗像神社は、神職の方が常駐していない時間帯もあり、社務所が閉まっていることもあります。おおむね午前10時から午後3時頃までを目安にすると良いでしょう。一方、梨木神社は比較的長い時間対応していることが多いですが、それでも夕方までには訪れたいところです。また、神社の行事などで対応できない日もあるため、遠方から訪れる場合は特に、当日の対応時間を電話などで確認しておくと最も確実です。
御朱印の初穂料(料金)の目安は?
御朱印をいただく際に納める初穂料は、京都の神社では一般的に300円または500円が目安となります。京都御所周辺の神社も、この範囲内と考えて良いでしょう。限定の御朱印や、見開きの特別な御朱印などの場合は、1,000円程度になることもあります。
お支払いする際は、お釣りのないように小銭を準備しておくのがスマートなマナーです。神様へのお供え物という意味合いを持つお金ですので、丁寧にお渡しすることを心がけましょう。初穂料については、各神社の授与所に明記されている場合がほとんどです。
オリジナル御朱印帳の有無と持参する際の注意点
御朱印集めを始めると、神社オリジナルの御朱印帳も気になるところです。京都御所周辺の神社では、梨木神社で美しいデザインのオリジナル御朱印帳が用意されています。萩の花や神紋をあしらった上品なデザインで、旅の良い記念になるでしょう。
もちろん、すでにお持ちの御朱印帳を持参して、御朱印をいただくことも全く問題ありません。御朱印は神仏とのご縁の証ですので、大切に扱えるよう、御朱印帳袋などに入れて持ち歩くことをおすすめします。もし御朱印帳を忘れてしまった場合は、多くの神社で書き置きの御朱印(和紙に書かれたもの)を授与しているので、そちらを拝受しましょう。
御朱印巡りと一緒に!京都御所へのアクセスと参観の基本情報

電車・バスでのアクセス方法と最寄り駅からの所要時間
京都御苑は非常に広いため、目的地に最も近い駅や門を把握しておくことが重要です。主なアクセス方法は以下の通りです。
- 地下鉄烏丸線「丸太町駅」:御苑の南側にアクセスする場合に便利です。1番出口からすぐ。
- 地下鉄烏丸線「今出川駅」:御苑の北側にアクセスする場合に便利です。3番出口からすぐ。
- 市バス:「烏丸丸太町」や「烏丸今出川」、「府庁前」といったバス停が御苑の近くにあります。
京都駅からであれば、地下鉄烏丸線を利用するのが最も早くて分かりやすいでしょう。
京都御所の参観は予約必要?料金や休館日について
現在、京都御所の通年一般公開は、事前の申し込み手続きが不要で、誰でも自由に入場して参観することができます。参観料も無料です。これは非常に嬉しいポイントです。ただし、月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月28日から1月4日)、その他行事等のために支障のある日は休止となるので、訪れる前に必ず宮内庁の公式サイトで公開状況を確認してください。
入場は清所門からとなり、手荷物検査が行われます。参観時間は季節によって変動しますが、おおむね午前9時から午後4時頃までと考えておくと良いでしょう。
仙洞御所・大宮御所の見学と御朱印の有無
京都御苑内には、京都御所の他に「仙洞御所」や「京都大宮御所」といった皇室関連施設があります。これらは京都御所とは異なり、見学するには事前の申し込み(予約)が必要です。当日空きがあれば参観できることもありますが、基本的には予約制と考えておきましょう。
これらの施設も見学コースをガイド付きで回る形式であり、神社仏閣ではないため、御朱印をいただくことはできません。美しい庭園や歴史的建造物を見学する場所として、御朱印巡りとは別に計画を立てるのがおすすめです。申し込みは宮内庁のウェブサイトから可能です。
御朱印拝受後に巡りたい!京都御苑のおすすめ散策コース

2つの神社を巡る御朱印拝受の半日モデルコース
京都御苑内で効率よく御朱印をいただき、散策も楽しむための半日モデルコースをご紹介します。
- 地下鉄「丸太町駅」で下車し、堺町御門から御苑に入ります。
- 南東へ向かい、まず「宗像神社」を参拝して御朱印を拝受します。
- 苑内を西へ横断する形で散策を楽しみながら「白雲神社」を目指します。
- 白雲神社で御朱印をいただいた後、乾御門から外へ出ます。
- 時間に余裕があれば、北上して寺町通沿いの「梨木神社」まで足を延ばします。
このコースであれば、約2時間から3時間ほどで、御苑の自然と歴史、そして御朱印巡りを満喫できます。
歴史を感じる旧九条家遺構「拾翠亭」の見どころ
御朱印巡りの合間にぜひ立ち寄りたいのが、御苑の南側、堺町御門の近くにある「拾翠亭(しゅうすいてい)」です。ここは、かつて五摂家の一つであった九条家の屋敷内に建てられた茶室で、現存する数少ない公家の邸宅遺構として貴重な存在です。池に浮かぶように建てられており、その優美な姿は一見の価値があります。
通常は金・土曜日などに一般公開されており、茶室の内部を見学することができます(別途参観料が必要)。江戸時代後期の公家文化の雅な雰囲気を肌で感じることができる、おすすめのスポットです。
苑内でひと休み。おすすめのカフェ・休憩スポット
広大な京都御苑の散策は、思った以上に体力を消耗します。途中で休憩を挟みたくなったら、苑内にいくつかある休憩所やカフェを利用しましょう。中立売休憩所では、レストランや売店が併設されており、軽食やランチをとることができます。また、閑院宮邸跡収納展示館にはカフェがあり、歴史的な空間で落ち着いたティータイムを過ごすことが可能です。
苑内にはベンチも多く設置されているので、テイクアウトしたドリンクを片手に、豊かな緑の中で一息つくのも良いでしょう。無理のない計画で、心ゆくまで京都御苑での時間をお楽しみください。
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